医療脱毛とは

今回は、医療脱毛について、特に医療機関で行うレーザー脱毛(医療レーザー脱毛)を中心に説明します。これに合わせて、医療脱毛以外のエステ脱毛(光脱毛、フラッシュ脱毛)や家庭用レーザー脱毛器と比較していきます。

医療脱毛と永久脱毛

医療脱毛とは、医療機関(クリニック)で実施される脱毛のことです。医療脱毛は医療行為として行われる脱毛であり、資格を持たない者が行うことは法律で禁止されています。医療機関以外のエステサロンなどが永久脱毛を行うことは、違法行為です。

昭和59年11月13日及び昭和63年2月4日に、いわゆる『永久脱毛』行為について、厚生省(現在の厚生労働省)・医事課より 「永久脱毛を業として行った場合は、医師法第17条の医業に該当し、医師以外の者が行えば医師法違反となる」との回答が出されています。

つまり、医療行為である永久脱毛について、資格を持たない者や医療機関以外のサービスが行うことは違法行為です。このため、エステサロンの脱毛は、医療行為に該当しない範囲の施術が行われます。

そもそも、医療機関が行う医療脱毛(医療レーザー脱毛)も、エステサロンなどの光脱毛(フラッシュ脱毛)も、あるいは家庭用のレーザー脱毛器も、体毛に熱エネルギーを発生させるという原理的な仕組みは同じです。

ただし、体毛のもととなる毛母細胞や、毛母細胞の分裂を促す毛乳頭など、体毛を生成する組織ごと破壊することは、いわゆる「永久脱毛」に該当します。これは、医療機関にしかできないことであり、医療脱毛に相当するものです。

その一方、エステサロンの光脱毛や家庭用脱毛器は、体毛の目に見える部分を除去したり、体毛を生成する活動を低下させることで、新たな毛が生えてくるのを少し遅らせる程度の効果にとどまります。これらは、根本的な「永久脱毛」ではありません。

(なお、「永久脱毛」の定義については、「永久脱毛」の意味は?で詳しく取り上げています)

医療脱毛は体毛の生成組織ごと破壊できる脱毛法であり、照射するレーザーの出力も高くすることが出来ます。これに対し、エステ脱毛や家庭用脱毛器は、医療脱毛に該当する範囲を行うことが法律的に出来ないため、照射出力を下げた光脱毛器が使われます。

医療脱毛と「医療行為」

医療脱毛は、医師の指導のもと、医療機関で行われる医療行為です。実際の施術には、看護師も補助的に関与する場合が一般的です。この点について、少し法律的に詳しく見ていきましょう。

医師法には、「医師でなければ、医業をなしてはならない」という趣旨の規定があります。医業の「医」とは「医行為」、「業」とは反復継続の意思をもって行うこと、と解されています。

つまり、医師が行わなければならないことは、「医行為」と呼ばれます。なお、何が医行為に該当するのかという規定は無いため、ある行為が医行為に該当するかどうかは、それぞれの裁判で判断されてきました。

その一方、保健師助産師看護師法には、診療の補助業務という規定があります。これを相対的医行為と呼び、医師でなければできない医行為を絶対的医行為と呼んで区別することがあります。

ただし、一般的には「医療行為」という言葉が広く使われています。医療行為は、診療の補助業務に限って使うこともあれば、医行為と厳密に区別せずに使われる場合もある言葉です。

厳密にいえば、狭義の医行為とは医師だけが出来る行為(絶対的医行為だけ)であり、広義の医行為とは看護師などの診療補助業務(相対的医行為)も含んでいるといえます。

これに加え、医療行為といえば、看護師などの診療補助業務(相対的医行為)だけを指す場合がある一方で、一般に広義の医行為と同じ意味で使う場合もあります。

医療脱毛でいうところの「医療行為」とは、医師が行うべき医行為といえます。医療脱毛において、看護師は診療の補助的な業務に従事することが出来ますが、医師が行わない医療脱毛は違法といえます。

医療脱毛の効果

医療脱毛には、脱毛部位に特定の波長の光(レーザー)を照射することで、体毛の黒いメラニン色素が反応して熱エネルギーが生じる「レーザー脱毛」が幅広く使われます。このほか、1本1本の毛穴に電気針を突き刺し、電流を通す「針脱毛」を導入したクリニックが見られます。

どちらの場合も、体毛で発生させた熱エネルギーが毛根まで影響を及ぼし、体毛を作る組織ごと破壊する仕組みです。医療脱毛で無ければ、体毛を生成する細胞組織を壊すことができません。

医療脱毛は理論上、100%完全に脱毛できると考えられています。ただし現実には、脱毛器や毛の状態に左右されます。体毛には成長期→退行期(移行期)→休止期という成長サイクル(毛周期)があり、脱毛効果があるのは成長期の毛だけです。

このため、一度の施術で脱毛が完了することは無く、肌へのダメージや毛周期を考慮して、1ヶ月半~2ヶ月半の間隔で施術を受けることが一般的です。医療脱毛なら1~2年の間に5~8回の施術を受けることで、脱毛が完了します。

1回の施術で終わらないのは、医療脱毛以外の脱毛法でも同じです。エステ脱毛や家庭用脱毛器の場合も、成長期以外の毛には効果が無いため、一定の回数や施術期間が必要です。

むしろ、1回あたりの脱毛効果が低いエステ脱毛で、医療脱毛と同じ脱毛効果を得ようとするなら、2年以上や15回以上の施術を受ける必要があります。それに加え、エステ脱毛などには、医療脱毛ほどの脱毛効果の永続性はありません。

医療脱毛は強いレーザーを照射しますから、効果が高いぶん、肌トラブルのリスクもあります。この点は医療レーザー脱毛のリスクと対応で説明しています。こうしたリスクは、原理的に同じ仕組みのエステ脱毛や家庭用脱毛器にもあります。

医療脱毛は、法律に基づいて医療機関で医師が行う脱毛方法です。肌トラブルのリスクも無いわけではありませんが、1回あたりの脱毛効果が非常に高い脱毛法です。体毛の生成組織ごと破壊するため、永続性のある脱毛効果が得られます。

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