家庭用脱毛器(レーザー脱毛器)はダメなのか

ここでは、自宅で気軽にレーザー脱毛ができる家庭用レーザー脱毛器を取り上げます。特に、医療機関で受けられる医療脱毛(医療レーザー脱毛)や、医療機関では無いエステサロンが行う脱毛(エステ脱毛)と比較しながら、家庭用脱毛器の特徴を説明します。

家庭用脱毛器の出力と効果

家庭用のレーザー脱毛器の原理は、医療レーザー脱毛やエステサロンで行う光脱毛と同じです。脱毛部位に光を照射し、発生した熱エネルギーが体毛や毛根の組織に作用するというものです。

(この仕組みについて詳しくは、レーザー脱毛と光脱毛(フラッシュ脱毛)の違いで説明しています)

このため、脱毛の効果を左右するのは、脱毛器が発揮できる熱エネルギー、つまり、照射の際の出力ということになります。

このうち、家庭用脱毛器(レーザー脱毛器)にはさまざまな種類が出ており、エステ脱毛並みの照射出力を持った機種もあります。ただし、医療機関(クリニック)で受けられる医療レーザー脱毛の威力には遠く及びません。

一般に脱毛器の出力を比較する際の単位には、エネルギーの単位であるJ(ジュール)が用いられます。医療機関で行うレーザー脱毛の脱毛器は最大50~60ジュールがほとんどで、低い場合でも40ジュール以上が一般的です。

その一方、エステサロンの光脱毛は15~20ジュール前後、家庭用脱毛器はそれ以下という機種が一般的です。医療機関以外は、脱毛を医療行為として行うことが法律上認められておらず、医療行為に該当しないよう出力も抑えられます。

家庭用脱毛器の場合、日本に進出している海外メーカー製の最新機種では、出力を5~20ジュールの間で4~5段階に調整できる機能を持ったものもあります。それ以外の機種では、3~5ジュール以下という機種が一般的です。

医療レーザー脱毛の威力なら、体毛に発生した熱が、毛根など毛を生成する組織ごと破壊するため、非常に高い脱毛効果があるといえます。その一方、エステサロンの脱毛や家庭用脱毛器の出力では、医療レーザー脱毛ほどの効果は期待できません。

レーザー脱毛や光脱毛の原理は、体毛が持つメラニン色素が熱を吸収する性質を利用したものです。このため、医療機関以外の脱毛方法でも、特に太くて濃い色の毛には効果があると思います。ただし、出力が低いこともあって、個人差が反映され、確実とはいえません。

その一方、細い毛や産毛のような毛まで含めて完全に脱毛しようと思えば、医療脱毛レベルの出力が必要です。エステ脱毛や家庭用脱毛器の場合、残った産毛が濃く太く成長することで、隅々まで脱毛の効果を得たとはいえない可能性があります。

そもそもエステサロンの脱毛や家庭用脱毛器の場合、体毛を除去して毛根の活動を低下させるにとどまり、毛を生成する組織の破壊にまで至らない可能性があります。これでは根本的な解決方法とはいえません。

その一方、医療機関のレーザー脱毛は、理論上の100%完全脱毛は毛の状態や脱毛器によって左右されるものの、新しい毛が生えてくることはほとんど無い半永久的な脱毛を実現させることができます(この点については、医療脱毛とエステ脱毛の違いで取り上げています)

家庭用脱毛器の使用回数と肌トラブル

医療機関であれ他の方法であれ、脱毛は1回では完了しません。体毛に熱エネルギーを発生させることができるのは、体毛の成長サイクルのうち成長期の毛だけだからです。このため、どの方法でも期間をおいた複数回の施術によって完了します。

このように、体毛が生え変わる成長サイクルを考慮して、医療レーザー脱毛なら1ヶ月半~2ヶ月半ごとに5~8回、トータル1~2年で脱毛が完了することが一般的です。あまり短期間に照射を繰り返すことは皮膚へのリスクが高いため、一定の間隔をあけます。

その一方、エステサロン脱毛や家庭用脱毛器は、1回あたりの脱毛効果が低いため、医療レーザー脱毛と同じ効果を得ようと思ったら、より多くの回数や期間を要することになります。例えば脱毛エステなら2年以上、あるいは15回以上も珍しくありません。

特に家庭用脱毛器を使う方は、より高い脱毛効果を早く得ようと思って、必要以上に過剰な頻度で使用する可能性があります。これは絶対に避けるべきですが、頻繁に照射することで、ヤケドをはじめとする肌トラブルのリスクが高まります。

脱毛の効果を得ようとして出力を高めると、激しい痛みを伴うリスクがあります。我慢できない痛みが続く場合や、ヤケドなど肌トラブルが生じた場合は、医療機関の受診をおすすめします。

施術中の痛みを軽減するため、医療レーザー脱毛なら笑気麻酔やクリーム麻酔など麻酔措置が受けられます。ただし、麻酔自体が医療行為であり、エステサロンは行うことが出来ません。家庭用脱毛器を使う場合も、自分で完全に痛みをコントロールすることは非常に難しいといえます。

また、施術後に肌トラブルが生じた場合、医療機関なら医師の診察や軟膏・クリーム・内服薬などの処方が受けられます。当然これも医療行為ですから、家庭用脱毛器やエステ脱毛では受けられないケアです。

家庭用脱毛器について:まとめ

家庭用脱毛器のなかでも、アメリカで医療機器、医薬品、食品などの安全規制を専門的に扱う行政機関・FDA(アメリカ食品医薬品局)の認可を得た海外製の機種が日本でも発売されています。

ただしこれは、FDA認可という事実に基づくものであり、日本国内での効果や安全性を保証するものではありません。家庭用脱毛器は何度でも好きな箇所を照射できますが、すべての方に効果があるとは限りませんし、肌トラブルなどのリスク予防や対応は自己責任で行う必要があります。

この他の家庭用脱毛器の場合、肌トラブルのリスクが低いのと同時に、照射出力をとても低く抑えているため、脱毛効果も極めて低い機種が多く見られます。こうした脱毛器でも、万が一痛みや炎症などが続いた場合は、自分で対応する必要があります。

また、家庭用脱毛器は、医療レーザー脱毛やエステ脱毛に比べれば安く済むかもしれません。ただし、機種によってはカートリッジ交換などのランニングコストがかかりますし、あまり頻繁に照射することはバッテリーの使用期間を縮めることにつながります。

家庭用脱毛器は、医療レーザー脱毛やエステ脱毛に比べれば安く済みますし、自宅で気軽に好きな場所を照射することができます。

その一方、家庭用脱毛器は出力が抑えられ、医療脱毛と比べると、永続性の高い脱毛効果が確実にあるとはいえません。肌トラブルの予防や対応も、自分で行う必要があります。こうした点を十分に留意する必要があるといえます。