毛周期と施術間隔について

医療脱毛では、1回の施術で完了しないことが一般的です。これは、体毛の成長サイクル(毛周期)のうち、成長期の毛にしか脱毛の効果が無いからです。これは、医療脱毛に限らず、エステサロンなど医療機関以外の光脱毛やフラッシュ脱毛でも同じことがいえます。

医療脱毛は、毛根に存在して体毛を生成する組織ごと破壊する脱毛法ですから、理論上の永久脱毛が可能です。これに対してエステ脱毛は、医療行為に該当する脱毛は法律で禁じられており、体毛を破壊するまでに至ることはありません。

毛周期は、1本1本の体毛すべてが異なる成長サイクルを持っており、すべての体毛が成長期のタイミングで脱毛効果を与えられるように、ある程度の施術間隔をあけ、複数回に渡って受けることが必要です。

一般的に医療脱毛では、1~2年の間で5~8回の施術を受けることで脱毛が完了します。エステ脱毛で医療脱毛と同じ効果を得ようとするなら2年以上、あるいは、15回以上ということも少なくありません。

これに加え、医療脱毛は針脱毛でもレーザー脱毛でも、体毛のもとになる毛母細胞や毛母細胞の分裂を促す毛乳頭にダメージを与え、体毛を作る組織ごと破壊することが可能です。エステ脱毛では、ここまでの効果は得られず、毛根の活動を弱めるにとどまります。

ここで問題となるのは、個人差や部位による違いがある毛周期に対して、どのように施術間隔を考え、脱毛の完了まで持っていけば良いのかという点です。ここでは、こうした毛周期と施術間隔を取り上げていきます。

毛周期とは

そもそも体毛は、成長期(成長初期→成長期)→退行期(または移行期)→休止期という成長サイクルで生え変わりを繰り返しています。医療脱毛であれ、エステ脱毛であれ、脱毛の効果が及ぶのは成長期の毛だけです。

毛母活動は成長初期で活動を開始し、成長期で最も活発になります。退行期では毛母細胞の活動が停止し、休止期で分裂することはありません。

医療脱毛ではレーザー脱毛であれ針脱毛であれ、体毛に持たせた熱エネルギーが毛根にまで波及し、毛根に存在する毛母細胞や毛乳頭にダメージを与えることで理論上の永久脱毛が可能となります。

ところが、成長期以外の体毛では、そもそも毛根の活動が低下しており、十分に熱エネルギーが行き渡らない状態となります。活動が休止していた毛根は、施術後に成長期を迎えると、毛根の活動が再び活発となって、そこから新しい毛が生えてきます。

このため、初回の施術で脱毛効果が得られなかった部位も、次回以降に成長期のタイミングで施術を行うことで、完全な脱毛を目指す必要があります。そこで問題となるのは、どれだけの施術間隔と回数であれば、最も効果的に効率よく脱毛を完了できるかという点です。

医療脱毛の施術回数

一般に、医療脱毛を行う医療機関の多くは、1~2年のうちに5~8回の施術を想定したコースを設定しています。これは、毛周期に関する個人差や部位ごとの違いを考慮した設定といえます。

例えば、医療脱毛の施術回数を5回と設定するのは、1回の施術で20%の毛が成長期を迎えると想定していることが考えられます。単純計算で5回×20%=100%というわけです。

毛周期というものは、1本1本すべての体毛が異なる周期を持っています。初回の施術で退行期や休止期だった体毛も、次回以降の施術時には成長期を迎えているはずです。こうしたことから、適切な施術間隔を行えば、5回の施術で脱毛が完了します。

しかし実際には、すべての部位が5回の施術で済むとは限りません。部位によっては、1回あたり20%の毛が毛周期を向けているとは限りませんし、これにも個人差があります。

こうしたことを考慮して、医療機関によっては、5回のコース完了者を対象に追加施術を割安料金で提供したり、部位によって5回以上のコース設定を行うところがあります。こうしたコースは、5回で済まなかった方へのフォローを考えた、良心的なクリニックといえます。

医療脱毛の施術間隔

施術回数が分かったところで、それではどの程度の間隔をおいて施術を受けたら良いのか、医療脱毛の施術間隔について考えます。そもそも、毛周期というものは、体の部位によって大きく異なります。

一般に毛周期は、頭髪(髪の毛)なら2~6年ですが、顔、太もも、ひざ下、腕、ひじ下、手の甲は6ヶ月~1年半(1年6ヶ月)です。また、脇やVIOの各ゾーンの毛周期は1~2年が一般的で、なかには2年半(2年6ヶ月)という場合もあります。

1つの毛周期は、体毛の成長サイクルを一巡することになります。例えば、脇やVIOゾーンで最も長く要する場合でも、2年のうちに5回以上照射すれば、ほとんどの方は理論上の永久脱毛を達成することが十分に可能といえます。

ここで、2年(24ヶ月)÷5回=4.8ヶ月、つまり、「5ヶ月弱ごとに照射を受ける必要があるのか?」という疑問が生じます。これは最も長い毛周期を想定したケースであり、平均的な日本人の毛周期を想定すると、効率的ではありません。

実際の毛周期は、性別や年齢、毛の状態によって非常に大きな個人差があります。そもそも毛周期は、1本1本の体毛ごとに異なるサイクルを持っており、同じ部位でも毛根によってバラツキが存在します。

ここで、短かすぎる間隔を設定して、毛周期がそんなに移行していないまま施術を受けても、大きな脱毛効果は得られませんし、皮膚へのダメージも残る可能性があります。施術間隔は、毛周期だけでなく、肌トラブルのリスクも考慮すべきです。

その一方、あまりにも長い毛周期の場合に配慮しすぎても、平均的な日本人の毛周期の方には、成長期以外の毛にばかり施術を繰り返すことにつながりかねません。これを医療レーザー脱毛の場合は「無駄打ち」と呼ぶこともありますが、とても効率の悪いやり方といえます。

医療脱毛の施術のタイミングは、長すぎても短すぎてもいけません。現在はほとんどの医療機関において、1ヶ月半~2ヶ月半ごとに施術を受け付けることが多いと思います。施術間隔のひとつの目安は、「2ヶ月」といえます。

2ヶ月という施術間隔は、なにも偶然に設定されたものではなく、毛周期の個人差や部位ごとの大きな違いを考慮しつつ、皮膚へのダメージや脱毛効果の効率性を加味して、平均的で適切な基準だといえます。

もちろん、医療機関によっては、患者さんの脱毛の進行状態や、施術する部位に応じて、個々のケースに見合った施術間隔を置いてくれます。一律に2ヶ月と決めつけず、これはあくまでも一定の参考程度に考えると良いでしょう。

特に1回目、2回目など初めのうちは、施術間隔をやや短めにして、だんだんと毛周期が揃った頃を見計らって脱毛できるように、次第に施術間隔をあけていったほうが効果的に完了できると考えている医療機関も多く見られます。

なお、顔と顔以外の体の脱毛では、毛周期の違いから、施術間隔を分ける医療機関が多いと思います。顔は4~8週間、顔以外の体は8~10週間が平均的な間隔ですが、個人差に応じて調整してくれる場合があります。

ここまで見てきたように、医療脱毛は、1~2年のうちに5~8回で完了させるケースが一般的です。実際には個々のケースによって大きく異なりますし、脱毛する部位によっても違いがあります。こうした点を考慮して、医療機関(クリニック)とよく相談しながら受けていきましょう。