医療脱毛のメカニズム

医療脱毛とは、医療機関が医療行為として行う脱毛法です。医療脱毛の定義については、医療脱毛とはで詳しく説明しています。

医療脱毛は、針脱毛とレーザー脱毛という2つの方法が主流となっています。どちらも、体毛に生じさせた熱が、体毛を生成する組織を破壊するメカニズムであり、理論上の永久脱毛を達成することができます。

(永久脱毛の定義については、「永久脱毛」の意味は?を参考になさってください)

ここで、針脱毛とレーザー脱毛それぞれのメカニズムを取り上げた上で、医療脱毛の特徴を説明します。

この記事(ページ)の目次です。

針脱毛のメカニズム

針脱毛とは、毛穴1本1本に針(先が尖っているわけではありません)を突き刺し、そこに電流を流すことで、体毛を作り出す毛乳頭を焼いて破壊する脱毛法です。

針脱毛も医療行為ですから、医療機関で医師や看護師が行うこと以外は法律上、認められていません。ただし、エステサロンのなかには、針脱毛のことを「ニードル脱毛」などと称し、医療行為に該当しない範囲で類似のサービスを展開するところもあります。

ただし、医療機関で行う針脱毛の場合は、使用する針をそれぞれの患者専用として、本人のためだけに保管・使用します。使用に耐えられなくなった針は医療廃棄物として適切に処理し、新たに本人専用の針を使います。

これは、B型、C型肝炎、HIVウィルスなど、血液経由の感染を防ぐための措置です。これと同じ理由で、医療機関の針脱毛では、担当者全員の血液検査や、患者本人の血液検査(初診時)を行います。

このような、血液感染のリスク回避の措置は、医療機関以外では出来ません。医療行為に該当する行為は、法律上エステサロンなどで行うことが出来ないためです。安全に針脱毛を受けたいのであれば、必ず医療機関で受けるようにしましょう。

医療脱毛では、毛乳頭が完全に破壊されれば、そこから毛が生えることは完全になくなります。特に針脱毛は、針に通した電流と熱エネルギーを利用して、体毛を作る組織ごと破壊するため、永久脱毛の効果が極めて高い方法だといえます。

かつては針脱毛といえば、針と皮膚が直接接触する電気針を使った施術が主流であり、やけどや色素沈着のリスクが高い方法でした。しかし現在では、皮膚と接触する部分を絶縁させる絶縁針が用いられ、安全性が高い脱毛法となっています。

針脱毛は、レーザー脱毛よりも脱毛効果が確実な方法です。日焼け、シミ、アザ、ほくろや、色素沈着が強い部分(陰部など)は、レーザー脱毛では肌トラブル(ヤケドなど)が起きるリスクが高いのですが、針脱毛はこうした部分でも施術が可能です。

また、針脱毛は、産毛や白い毛など、レーザー脱毛では効果が及びにくい毛でも、高い効果が得られます。こうしたメリットがある針脱毛ですが、デメリットが無いわけではありません。

針脱毛は1本1本の毛穴に針を通す方法ですから、非常に時間がかかります。また、痛みという点では、針を毛穴に通すときよりも、電流を流して熱を体毛に直接伝える仕組みですから、電流を流すこと自体は非常に短時間とはいえ、強い痛みを生じます。

また、レーザー脱毛がレーザー光を照射するのに比べ、針脱毛は一度に処理できる面積に限りがあります。眉毛、ビキニライン、陰部など、レーザー脱毛が効きにくく、狭い範囲を確実に脱毛するのに向いていますが、広範囲を効率よく脱毛することは不向きです。

針脱毛は1本1本の針を毛穴に突き刺し、電流を流すという方法ですから、脱毛の効果やリスクの低減は施術者の技量に左右されるといえます。強い痛み、色素沈着、内出血などの肌トラブルの事例もありますし、経験豊富な熟練の施術者のもとで受けることが望ましいといえます。

針脱毛はその手順の性格上、かなりの時間がかかる割に施術範囲は狭く、施術者の技量を要することから、全国的にレーザー脱毛ほど幅広く行われていません。確実な脱毛効果が魅力ですが、費用も相当に高額であり、直接的な痛みや肌トラブルのリスクも高めです。

こうした針脱毛のメリット・デメリットを考慮すると、比較的広範囲に照射して半永久的な脱毛効果があるレーザー脱毛を1年程度続けても効果が無い部位に関しては、ピンポイントに確実な脱毛効果が高い針脱毛の利用を検討しても良いのでは無いかと思います。

レーザー脱毛のメカニズム

レーザー脱毛とは、一定の波長の光(レーザー)を照射することで、体毛で発生した熱が毛根にまで波及し、体毛を作る組織ごと破壊するというメカニズムです。

レーザー脱毛は、体毛が持つ黒いメラニン色素が、特定の波長の光に反応して熱エネルギーを吸収する性質を応用したものです。この仕組みについて詳しくは、レーザー脱毛と光脱毛(フラッシュ脱毛)の違いで説明しています。

体毛で発生した熱が、体毛のもとになる毛母細胞や、毛母細胞の分裂を促す毛乳頭など、体毛を作る組織を破壊するメカニズムは、レーザー脱毛も針脱毛も同じです。

レーザー脱毛では、レーザーを照射する脱毛器を使って施術を行い、針脱毛に比べて比較的短い時間で施術が完了します。照射範囲を脱毛することが出来ますし、比較的広い範囲の脱毛を効率よく行うことができます。

医療機関で行うレーザー脱毛(医療レーザー脱毛)も、エステサロンで行う光脱毛(フラッシュ脱毛)も、原理的には同じ仕組みを使った脱毛法です。ただし法律上、医療機関以外がいわゆる永久脱毛を行うことは禁止されています。

このため、エステの光脱毛は医療レーザー脱毛に比べて、照射の出力が抑えられ、体毛を生成する組織の破壊までには至りません。毛根の活動を低下させたり、目に見える部分の体毛の除去にとどまります。

ただ、レーザー脱毛はメラニン色素を利用した脱毛法です。色素が無い毛には、あまり効果がありませんし、皮膚が色素沈着している部分は、ヤケドなどのリスクが高くなります。こうした部分も、毛穴に針を突き刺して電流を通す針脱毛なら可能です。

一般にレーザー脱毛では、白髪や産毛などは効果が低く、日焼けは行わないよう勧められます。シミ、アザ、ほくろや、色素沈着が強い部分(陰部など)は、レーザー脱毛を受ける場合は慎重に考慮する必要があります。

レーザー脱毛にも痛み、炎症、ヤケドなど肌トラブルのリスクはあります。ただ、毛穴に差し込んだ針に直接電気を通す針脱毛に比べれば、施術中の強い痛みはあるものの、ヤケドなど深刻な肌トラブルの可能性はそう高くありません。

医療脱毛は一般に費用が高額と言われますが、半永久的な脱毛が実現できるレーザー脱毛は、針脱毛ほど高額ではありません。長期的に見れば、レーザー脱毛が最も効率的で安く済む場合もあります。

脱毛が1回の施術で完了しないのは、レーザー脱毛も針脱毛も、あるいはエステサロンの脱毛でも同じことです。体毛の成長サイクルは成長期→退行期(移行期)→休止期となっている一方、脱毛効果があるのは成長期の毛だけです。

このため、体毛の成長サイクルや皮膚への負担を考慮して、1ヶ月半~2ヶ月半の間隔で複数回に渡って施術を行い、脱毛を完了させることが一般的です。

このうち医療脱毛であるレーザー脱毛や針脱毛は1回あたりの脱毛効果が高く、1~2年で5~8回の施術を行って脱毛を完了することが一般的です。その一方、エステ脱毛は医療脱毛と同じ効果を得ようと思ったら、2年以上や15回以上の施術を受けることも少なくありません。

その上、医療脱毛では半永久的な脱毛効果が確実ですが、エステ脱毛はこうした永続性はありません。特に、一度に広範囲の施術を受けられるレーザー脱毛は、効率性がとても高く、針脱毛ほどの時間的・金銭的な負担がかからないというメリットがあります。

医療脱毛を行う医療機関では、レーザー脱毛が全国的に主流といえます。針脱毛は、より確実なピンポイントの脱毛効果があるのですが、血液感染の予防措置が必要ですし、施術自体も熟練の施術者が必要です。

このため、どの箇所でも脱毛しようと思えば、まずはレーザー脱毛を1年間受けてみて、その後、局所的に脱毛効果が得られないと感じた箇所に関しては、針脱毛を検討するというスタンスがおすすめできます。

なお、レーザー脱毛・針脱毛、どちらの方法も医療機関で行うため、施術中の痛みが耐えられない方は麻酔を受けることができます。また、施術に伴う肌トラブル(痛み、炎症、ヤケドなど)にも、医師の診察や医薬品の処方を受けることができます。

その一方、エステサロンなどの脱毛サービスは、医療機関以外の医療行為は法律上禁止されているため、医療行為に該当する施術、麻酔措置、肌トラブルへの診察・処方といった行為を行うことができない点も留意が必要です。

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