男のヒゲ脱毛

今回は、男のヒゲ脱毛について、医療レーザー脱毛を想定して取り上げます。

ここでは、ヒゲ脱毛は痛いのか、医療機関のレーザー脱毛とエステの光脱毛(フラッシュ脱毛)はどう違うのか、脱毛後の肌トラブルとリスクケア、泥棒ヒゲとは何か、のそれぞれについて詳しく説明します。

男性のヒゲ脱毛は痛いのか?

まず、男性のヒゲ脱毛は痛いです。「痛くない」ということは無いと思います。これを前提に、医療レーザー脱毛では、痛みを軽減する安全な麻酔を用意しています。

レーザー脱毛で痛みが無い照射は、既に何回かの施術を経験してほとんどの体毛を脱毛したあとの仕上げの場合を除けば、脱毛効果が無い施術といえます。これは後述どおり、医療レーザー脱毛のメカニズムと関係しています。

一般に医療脱毛で痛みを強く感じるのは、太くて濃い体毛が密集している部位です。このため、ヒゲ脱毛のなかでも鼻下は特に痛みを感じます。ただ、鼻下は顔の中で範囲が狭い部位であり、照射時間は短くて済む部分でもあります。

また、下唇の下も激しい痛みを感じます。ここは鼻下よりも照射時間が必要で、どちらの部位も麻酔をお願いする方が多いと思います。あとは頬です。頬は体毛が密集していなくても、皮膚が薄いため、痛みを感じる方が多いと思います。

このほか、あごの下というか裏側の首筋のあたりは、麻酔無しで乗り切れる方もいれば、骨の近くあたりは強い痛みに耐えられない方もおられます。ここまでが、ヒゲ脱毛の中でも痛みが感じやすい箇所かと思います。

これに対し、多くの医療機関では、痛みを軽減する取り組みを行っています。施術者が異なっても同じ要領で受けられるよう、カルテで個別の照射方法を共有したり、クーリング(冷却)を徹底したり、施術中の声掛けを行うクリニックなどがあります。

それでも痛みが気になる方へ、多くのクリニックでは2種類の麻酔を用意することが一般的です。このうち、笑気麻酔は、鼻に軽くマスクをかぶり、亜酸化窒素と医療用酸素が混合された気体を吸入する麻酔です。

笑気麻酔は、ホワワンと軽く酔って感覚が鈍くなる麻酔です。歯科治療の際に使われることでよく知られた麻酔法ですが、鎮痛効果が強い麻酔法として、医療脱毛でも幅広く使われます。

その一方、笑気麻酔が体質的に合わなかったり、笑気麻酔でも効かなかった方には、クリーム麻酔を使います。クリーム麻酔とは、リドカインを主成分とするクリームを塗布する麻酔法です。

クリーム麻酔は塗り始めてから効果が出るまでに30分程度の時間がかかるものの、非常に安全性が高い麻酔法です。どちらの麻酔法も、意識が無くなるということはなく、リラックス効果と痛みを感じなくなり、施術後も食事や車の運転など特に問題無く行なえます。

なんといっても、麻酔は医療行為です。医療機関では無いエステサロンの脱毛サービスで痛みが生じても、こうした軽減策を受けることはできません。

レーザー脱毛と光脱毛の違い

医療機関が行う医療脱毛(医療レーザー脱毛)も、エステサロンが行う光脱毛(フラッシュ脱毛)も、肌の上から照射して体毛に熱を発生させる原理は同じです。どちらも、体毛に生じた熱エネルギーが脱毛を行います。

ただし、医療脱毛は医療行為であり、法律上これに該当する施術をエステサロンが行うことはできません。医療レーザー脱毛では、体毛に生じた熱エネルギーが、毛根に波及するほどの強い照射パワーで施術することができます。

医療レーザー脱毛なら、体毛の熱エネルギーが毛根に波及し、毛根に存在して体毛のもとになる毛母細胞や、毛母細胞の細胞分裂を促す毛乳頭を壊すことができます。こうして、体毛を生成する組織ごと破壊できるのが医療脱毛です。

その一方、エステ脱毛は、医療行為に該当する施術を行うことができません。光脱毛器は照射出力が抑えられ、体毛を作る組織の破壊には至らず、毛根の活動を低下させたり、表面に見える毛の除去にとどまります。

医療脱毛なら、理論上の永久脱毛が可能です。また、医師や看護師といった有資格者が診察や施術を行います。これに対し、エステ脱毛では、こうした資格を持たない者が施術を行い、施術前やトラブル時に医師の診察を受けることもありません。

さらに、先述通り、特にヒゲ脱毛のように激しい痛みを感じる時は、医療脱毛なら麻酔の処置を受けられます。施術後に肌トラブルが生じたときも、医師に相談して診察を受けたり、医薬品の処方を受けられる場合があります。

これに対して、光脱毛やフラッシュ脱毛といった医療機関では無いエステサロンが行う脱毛では、痛みや肌トラブルが生じたときでも、医師の診察や医薬品の処方を受けることはできません。

脱毛後の肌トラブルとリスクケア

男性のヒゲ脱毛を受けた方は、大半の方が一時的に肌荒れします。これは、先述の「男性のヒゲ脱毛は痛いのか?」でも触れた、医療レーザー脱毛のメカニズムと関係しています。

レーザー脱毛は、体毛に含まれる黒いメラニン色素が、一定の波長のレーザーが持つ熱を吸収する性質を応用したものです。レーザーを照射することで、体毛に溜め込まれた熱エネルギーが毛根に波及し、毛根に存在する体毛の生成組織を破壊する仕組みです。

その一方、この黒い色素は、皮膚にも存在します。特に色素沈着が大きなところでは、レーザーを照射すると、体毛だけでなく皮膚においても熱エネルギーが蓄積されていまいます。これは、ヤケドのリスクがあることを意味しています。

ただ、特別な治療を必要とする大きなヤケドを生じる可能性は極めて低く、医療レーザー脱毛は非常に安全性の高い脱毛法です。医療機関の多くは、色素沈着(日焼け、シミ、ほくろ)が目立つところは施術を控えたり、日焼けしないよう指導するケースがほとんどです。

医療レーザー脱毛において、照射出力が低すぎると脱毛効果が得られませんが、高すぎてもヤケドのリスクが高まります。このため、多くの医療機関では患者さんの様子や肌の状態を見ながら出力を柔軟に調整してくれます。

治療が必要な大ヤケドという可能性はほぼゼロに近いものの、肌が熱を持った結果、施術直後は赤み、炎症・腫れ、肌荒れ・むくみ、痛みなどを感じることが一般的です。

こうした症状は、大半の方が時間が過ぎるととともに、肌が持っていた熱が引くことで治まります。遅くとも、2~3日程度で落ち着くことがほとんどです。

これに対して、クリニックによっては施術のたびに、こうした炎症・痛み止めの軟膏・クリームを処方してくれるところがあります。万が一、3日以上たっても治まらない場合は、医師に相談して診察を受け、肌トラブルを回復する薬(内服薬、塗布薬)を処方できる医療機関がほとんどです。

もちろん、こうしたケアは、医療機関だからこそ出来る対応です。ヒゲ脱毛はとても痛いものですし、さまざまな肌トラブルの可能性が考えられます。こうした状態を伴ったときにこそ、本当に良心的な医療機関かどうかの真価が発揮されるといえます。

脱毛後の泥棒ヒゲとは

その一方、泥棒ヒゲとは、皮膚の下に潜り込んでいる毛が、レーザー脱毛の熱によって膨張し、黒く濃く見える一時的な状態です。実際に毛が濃くなったのではなく、時間が経過すれば皮膚の表面から抜け落ちていきます。

泥棒ヒゲは、皮膚の表面に表れていない体毛ですし、レーザー照射の影響もあってハリやコシが無い状態です。照射後の皮膚は膨張してむくみがちなこともあって、泥棒ヒゲはひげ剃りでも剃りにくい毛です。

泥棒ヒゲ自体は、特に問題がある毛ではありません。これは、照射後にとてもよく見られる現象のひとつです。数日で抜け落ちる方もいれば、かなり長い期間まで残存した方もおられます。基本的には、そのまま放置して抜け落ちるのを気長に待ちましょう。

一番良くないのは、泥棒ヒゲに限らず、結果を焦って毛抜きを行うことです。これは毛穴を傷つけ、毛のう炎を引き起こす可能性があります。万が一、こうした状態になった場合は、医療機関に相談しましょう。

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