医療脱毛と火傷(やけど)リスクへの対応

医療脱毛は、火傷(やけど)が起こる可能性をとても低く抑えられる安全性の高い脱毛方法です。医療レーザー脱毛であれば、レーザーの照射出力を調整することで、高い脱毛効果とやけどリスクの低減・解消を両立させることができます。

今回は主に医療レーザー脱毛を想定し、さまざまな肌トラブルへの対応や、やけど回避の取り組み、実際の出力調整について取り上げていきます。

医療脱毛の仕組みと肌トラブルへの対応

そもそも医療レーザー脱毛は、体毛に含まれる黒いメラニン色素が、一定の波長のレーザーに含まれる熱に反応する性質を応用した脱毛法です。メラニン色素が吸収して溜め込んだ熱エネルギーが毛根まで波及し、体毛を作る組織ごと破壊することで、理論上の永久脱毛が実現できます。

ここで医療レーザー脱毛は、皮膚の上からレーザーを照射するため、皮膚も体毛のように熱を溜め込むことで、炎症や赤みが生じますし、大きなやけどに至るリスクもあります。

特に皮膚のなかでも、黒ずみ、ほくろ、日焼けなど、色素が沈着している部分は、体毛と同じように皮膚の色素もレーザーの熱を吸収しやすく、やけどなどのリスクが高まります。医療機関(クリニック)によっては、日焼けした場合は施術がNGという場合もあります。

医療脱毛で、施術後の赤みや炎症、むくみやかゆみは誰もが感じることですし、ほとんどの方は数時間~1日で治まります。遅くとも2~3日で、大半の方は症状が落ち着いて元に戻ります。

多くの医療機関(クリニック)では、医療脱毛の施術後に、こうした症状が落ち着くまでの間に使える炎症止めの薬(軟膏、クリーム)を処方してくれるところが一般的です。なかには、炎症止めの薬は施術コースの範囲内のサービスとして、無料で配布してくれるクリニックもあります。

その一方、上記の症状がそれ以降も続いたり、やけどが生じたという方は、非常に稀です。ただ、可能性がゼロではありませんし、万が一こうした状態に該当した場合は、医療機関(クリニック)で医師の診察を受け、医薬品(塗布薬、内服薬)の処方を受けましょう。

医療脱毛を行うクリニックでは、こうした万が一の肌トラブルの場合にも、医師の診察や医薬品の処方など適切な処置を提供するところも少なくありません。また、これらの診察代や薬代といった追加費用がかからず、すべてコース料金の範囲内で対応してくれるクリニックもあります。

医療脱毛で炎症や赤み・かゆみなどはほとんどの方が経験することですが、それが長く続いたり、やけどまで生じるということは、通常はほとんど考えにくいことです。

それでも、万が一の肌トラブルに対して、医師の診察や医薬品の処方といった対応が出来るのは、医療機関であるクリニックだからこそできる医療脱毛の大きなメリットといえます。

ジュール設定とやけどの回避

医療レーザー脱毛では、レーザーの強さを柔軟に調整することによって、やけどのリスクを避けることができますし、高い脱毛効果の維持と両立することができます。

レーザー脱毛の強さとは、皮膚に照射するパワーを調整することです。医療レーザー脱毛では、脱毛機の照射出力をコントロールするのですが、エネルギーや熱量の単位として知られているJ(ジュール)の設定が行われます。

医療機関で行うレーザー脱毛の脱毛器は、最大50~60ジュールがほとんどです。低い場合でも、40ジュール以上が一般的です。その一方、エステサロンの光脱毛は15~20ジュール前後、家庭用脱毛器はそれ以下という機種が一般的です。

医療脱毛は医療行為であり、法律によって医療機関において資格を持った者(医師や看護師など)しか出来ない施術方法です。体毛のもとになる毛母細胞や、毛母細胞の細胞分裂を促す毛乳頭などの組織ごと破壊できるのは、医療脱毛だけです。

その一方、エステサロンや家庭用脱毛器など、医療機関では無い脱毛法は、医療行為に該当する脱毛法を行うことができません。このため、照射パワーも低く抑えられています。

こうしたことから、医療脱毛は毛根に存在して体毛を生成する組織ごと破壊することができる一方、医療機関では無い脱毛法では、毛根の活動を弱めたり低下させるにとどまり、今ある毛を除去できても新しく毛が生える可能性を残すため、根本的な解決法とはいえません。

ここまで見てきた通り、医療レーザー脱毛は理論上の永久脱毛が達成できる優れた脱毛法ですが、ジュールを高く設定すればするほど、脱毛効果も高まる一方、やけどを引き起こすリスクも高くなります。

医療レーザー脱毛では、ジュールを下げることでやけどの可能性を回避することが可能です。ただ、照射出力を下げすぎると十分な脱毛効果が得られませんし、かといってジュールを上げすぎても重大なやけどのリスクが高まります。

そこで実際には、医療脱毛の施術者の多くは、肌の状態や本人が痛みを感じている様子を見ながら、やけどのリスクが高そうな部分はジュールを低く設定し、そうでも無いところは高い脱毛効果を得ようと照射出力を高く設定するなど、柔軟に調整して施術を進めます。

医療レーザー脱毛の出力調整

ここまで見てきた通り、医療レーザー脱毛では、十分な脱毛効果とやけどリスクの回避を両立するため、レーザーの熱エネルギーに結びつく照射出力(ジュール設定)を柔軟に調整することが一般的です。

ここで、ジュール設定の基準となる最も重要なポイントは、肌の状態や部位です。やはり先ほど説明した通り、黒い肌ほど高い照射出力で施術を行うとやけどのリスクが高まります。

このためレーザーの照射出力を、肌の色が黒い部分は低めに、肌の色が白い部分は高めに設定します。また、皮膚が薄くて柔らかい部分も、レーザーなどの外的刺激に弱いことがあるため、低めに設定することがあります。

特に、医療脱毛を受ける方は、日焼けはNGです。日焼けをされている方や、もともと皮膚が黒いという部分は、医療レーザー脱毛はお断りするクリニックもあります。日焼けした方は、肌がもとに戻ってから医療レーザー脱毛を申し込みましょう。

このほか、皮膚が黒みがかっていたり、色素沈着が多い部分への施術は、やはり照射出力を下げることが考えられます。その部分の広さや状態によっては、施術自体を慎重に検討することもあります。

肌の黒ずみ、しみ、ほくろ、乳輪周辺はジュール設定が見直されることが一般的です。これとは別に、体毛が太い部分・細い部分でも、ジュール設定の調整が行われることがあります。

体毛が太く濃い部分は、色素を豊富に含んでいるため、少しの出力でも十分に効果が得られますし、皮膚が黒くなければジュールが低めでも体毛がたくさんの熱を吸収してくれます。

その一方、産毛や体毛が薄くて細い部分は、医療レーザー脱毛の効果が出にくいため、なるべく照射出力を引き上げ、他の部分と同様の脱毛効果を維持したいところです。

しかし当然ながら、「これ以上引き上げるとやけどの恐れがある」という限度がありますし、特に皮膚が黒ずんでいる部分を中心に、施術中の細かな調整が必要です。

なんといっても、医療レーザー脱毛であれば、医療行為として患者のカルテが共有され、来院ごとに異なる施術者であっても、前回までの経過を踏まえ、施術部位の肌の色や体毛の状態を確認したうえで、適切な設定や調整が引き継がれます。

ここまで見てきた通り、医療レーザー脱毛は、やけどのリスクの回避と高い脱毛効果の実現を両立できる、非常に安全性が高い脱毛法といえます。また、医療行為として行われますから、カルテを通じた施術情報の共有が行われ、肌トラブル発生時のケアにも対応することができます。

スポンサーリンク